化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

見えるようになったものと見えなくなったもの。

見えるようになったものといえば、情報です。
SNSの普及で、テレビや新聞では話されない内容を知るようになりました。いわゆる噂話みたいなもので、それは昔から週刊誌が書いていたはずなんですが、お金を払って噂話を知ろうとする人は限られていたのでしょう。SNSで噂話を見るのは無料ですから、噂話を聞く人は自然と増えます。

またSNSはテレビや新聞よりも、人っぽいです。
テレビで話しているのも、新聞に書いているのも人なんですが、僕たちの普段の話し方と違うためか、テレビも新聞も自分とは距離があります。なんとなく、自分より上の存在のように感じます。
その点、SNSで投稿している人の話し方は、僕たちと近い話し方であることが多いです。
ちょっと汚い言葉遣いをしたり、暴言を吐いている投稿している人もいますが、そういう人は現実にもいるので、親近感を感じます。

話し方は結構重要です。
僕は高校2年生までラグビー部でしたが、ラグビー部の人達が話す話し方と、理系のクラスの子たちとでは話し方が違いました。クラスにもラグビー部員や他の体育会系の部活をしている子もいたのですが、そういう子は部活の時とクラスにいるときでは話し方は少し違っていました。
話し方の他にも違うことと言えばノリも違いました。部活のときには体育会系でもクラスが体育会系でなければ、クラスに合わせたノリになっていました。
僕もそうだったと思いますし、今でも場所によって自分の話し方やノリは変わっています。それは大抵の人がそうだと思います。実家、会社、友達、習い事と、色々ある小さな社会の中でそれぞれ自分が微妙に違うわけですが、好きな場所は話し方やノリが好きであるからだと思います。

新聞はいつも難しい書き方をして、「もうちょっと分かりやすく書いてくれたらいいのに。別に時事問題に興味がないわけじゃないんやからさ・・・」なんて思うように、話し方やノリが合わないと興味があっても読む気になれません。
ところがSNSには、色んな話し方があります。自分の好きな話し方やノリで時事問題を話している人がいれば、その人から情報収集しようとします。
話し方やノリが合うか合わないかだけで、見る気になるかならないかが決まるので、内容の善し悪し以前に、話し方やノリという判断があるんです。
そして多くの場合、話し方やノリがあえばファンになり、推しになり、内容の良し悪しという判断基準が無くなってしまいます。

だからSNSではエンタメ志向になりやすいのだと思います。
テレビや新聞ではNGな話し方でも、SNSではアカウント次第ですので、アカウントがオッケーで規則に違反していなければ、オッケーです。なので、SNSは若者から注目を集めやすいのでしょう。
内容の良し悪しは置いといて、SNSの普及によって新聞やテレビの話し方やノリが合わない人でも、時事問題を知る機会が生まれました。
これはここ最近の見えるようになったものです。

反対に見えなくなったものといえば、機械です。
この間、ドライヤーがつかなくなって、新しいドライヤーを買ったのですが、ふと、子供の頃は「ドライヤーがつかなくなったら父がコードの修理をしていたなあ。」と思い出しました。
自転車のパンクも直してくれていましたし、今の50代60代の人はちょっとした機械の修理ができる人は結構います。
昔は壊れやすかったんでしょうか。もしくは「男はちょっとした機械の修理のひとつやふたつ、できるものだ。」という風習があったのかもしれませんし、ただ単に機械を触るのが好きな人が多かったのかもしれません。
たしかに昔はアメ車やイタリア車は壊れやすいと言われていました。しかし僕が大学生の頃、実家がイタリアのメーカーフィアットの車を買ったんですが、別に不具合が出ることもなく、最後まで走ってくれました。
不具合がなければ、ボンネットを開けることもありませんし、車の構造の知る機会もありません。友達に車好きがいて、遊ぶときにあれこれと話を聞いたことがありますが、普段見る機会がないので、殆ど忘れてしまいました。
僕が教習所に通っていた頃には、もうタイヤの交換の講習はありませんでした。なのでスノボに行く時に友達が「ちょっと次のパーキングでタイヤ変えるわ。」といって、タイヤを変えている姿を見て、すごいなと思っていました。

今はエンジニア不足だと言われていますが、そりゃそうだろなと思います。
家電は壊れても修理する風習はありませんから、iPhoneを自分で修理しようなんて考える人はいないでしょう。壊れたらアップルストアに行くか、正規の修理屋に持っていくか、新しいのを買おうと考えます。
これも昔だったら、新しい機械を分解せずにはいられなかったでしょうし、修理して使おうと考えたんじゃないだろうかと思います。
子どもの頃に親が壊れたら新しいものに替えていて、修理をする姿も機械の中身を見る機会もない社会なのですから、機械に興味を持ちエンジニアになろうと考える人は昔よりも減っているでしょう。

こうして考えると、興味を持ってほしいなら見えるようにしないといけません。
平成4年生まれで現在33歳の僕が子どもの頃はプラモデルを作ることは当たり前だったんですが、今の子どもはプラモデルに興味がなく、プラモデルに興味がある世代は40代以降になっていているそうです。今の父親世代はプラモデルを作っていた世代なので、「子どもにも。と思うのですが、子どものおもちゃには高すぎる値段設定になっていて買えない。」という話もありました。
僕の感覚ではプラモデルからエンジニアを目指す流れはあると思うので、プラモデルに興味を持ってもらうことは結構大事だと思います。
ネット上のシステム開発とか、アプリ開発といっても、結局はその機械を動かす部品の開発が進まなければ、新しい技術は生まれないです。
となれば、そういう部品は見えるようにしないといけないと思うのです。

SNSの普及で情報が見えるようになり、若い世代の投票が選挙に影響するようになりました。
反対に機械の中身は見えなくなり、興味を持つ人が減りました。
見えるか見えないかで興味が変わるなら、何を見えるようにすればいいかは結構大事なポイントかもしれません。

化粧品研究者こまっきー

↓こちらへどうぞ↓

www.komacky.com