化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

服のデザインから見る不景気

友達が「服欲しい」というので、久しぶりに服を見に行った。
すると以前とは服のデザインが少し違うように感じた。
その日は「秋に向けてレザージャケットが欲しい」ということで、レザージャケットを中心に阪急百貨店、ルクア、グランフロントなどのお店をブラブラした。

特に女性の服でよくあったのが、来年は着れない今年だけのデザインだ。
別に着れないわけではないのだが、毎年デザインがコロコロ変わるので、去年のデザインというのがハッキリ分かって着づらかったり、デザインの違いで今年の服と合わせづらい現象が起きていた。
また、夏に買ったカットソーは秋冬になると羽織物の袖が通らない現象もある。
普通のシルエットのカットソーなら秋冬でも活用できるのだが、少しシルエットがゆったりすることで脇の部分が上手く通らずに気持ち悪かったりする。
結局カットソーというジャンルでも春夏用と秋冬用が出来てしまう。少し前に話した“出費内容が増えている現象”のうちの1つだ。

レザージャケットも同じくで、ダブルのシルエットでシングルのデザインのレザーとか、数年経ったら着にくくなるようなレザージャケットが多かった。
レザージャケットは10年以上使えるものなので、オーソドックスなデザインを買うのが一番だ。だから「変な形じゃなくて、普通のシルエットのほうがええな。」と話しながら、友達とレザージャケットを探していると、そもそもレザージャケットを置いているお店が少なかった。
時期的に少し早いので、これから出てくるのかもしれない。

「レザージャケットは作るのにコストがかかる商品で、売れ残ってしまった場合のリスクが高い商品。だから仕入れの数は一番慎重になる。」と知り合いのセレクトショップのオーナーが以前話していたことを思い出した。もし少ししてからもう一度見に行ってレザージャケットが少なかったら、不景気によるものかもしれない。

また置いてある数少ないレザージャケットは、実にオーソドックスなシンプルなレザージャケットばかりだった。
ジッパーの位置が変にズレているとか、ゆったりシルエットとか、そんな変わったレザージャケットはなく、シングルなら真ん中にジッパーがあり、ノーカラー過ぎない首元まできちんとあるジャケット。ダブルもベルトやポケットなどの装飾品がキチンと付けられているレザージャケット。
なによりもシルエットが普通だった。
あの変に冒険している形が1つもなかった。

「レザージャケットは売れ残った時のリスクが大きい。」
こういうところからも景気の現状見えているような気がした。

同時に、景気は関係なく、消費者が賢くなって流行りの服を追いかけることなく自分にあう、自分の好きな服を買うようになったからかもしれない。
経済を回すためだけに商品を作って消費を促す、売上を上げるのは不健全な社会だ。
「何が売れるか?」という消費者目線よりも、デザイナーや技術者目線の商品の方が質は高くなるだろう。
このレザージャケットの流れが、ちゃんとした商品が売れていくような健全な社会に向かっている兆しだったら良いなと思う。

化粧品研究者こまっきー

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