化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

統一感のなさが日本らしさなのか。

海外旅行をすると、統一感のある街並みを見て「日本もこういう風に統一感のある街並みにしたらいいのに。」と思います。
特にヨーロッパの街並みが美しいと思うのは、街全体に統一感があるからです。

パリに行った時は「電車に乗るのが勿体ない。」と思うほど街が美しく、出来るだけ歩くようにしていました。1週間ほど滞在していたので、観光地から少し離れたマンションの1室を借りていました。日本だと、観光地と住宅街とでは雰囲気が異なりますが、パリは建物の雰囲気が共通しているので、観光地でも住宅街でも美しい街並みでした。

日本でも観光地となる場所は都心の最先端な街並みだけではなく、古い街並みもあります。東京の浅草、京都の八坂神社付近や広島の竹原町並み保存地区など全国各地に昔の街並みが残っています。
外国人には特に日本の古い街並みが人気ですが、外国人だけでなく僕たち日本人も「観光したい。」と思えば歴史のある場所を選びます。

それなのに、どこでも都心部は同じようにビルがタワマンが建ち並んで、昔の街並みは都心には残っていません。
今はもう地方でも快速の止まる駅前にはタワマンが建っていて、地方の長閑な空気は駅前では感じることが出来ません。
そして住宅街に入ると、建物にまるで統一感がありません。

「なぜ日本の街並みは美しくないのか?」という疑問はパリから帰ってきてすぐ、建物のデザインに多きな差があることに気づきました。
日本では家1つ1つの雰囲気やデザインがバラバラです。パリでも外壁のデザインや色はそれぞれ違いがありましたが、デザインに統一感がありました。

「日本も統一感出せば、観光地だけではなくて自分達が住んでいる街が美しくなるのに。」
そう思っていたのですが、最近は「バラバラでもいいかな。」と思っています。
むしろ観光地のように意図しなければバラバラになってしまうこの街並みこそが日本人らしさなのではないかと考えています。

ヨーロッパでは「私は日本家屋が良い!」という発想がないのでしょうか。
日本では家を建てるとなれば、モダンとか和モダンとかアメリカンハウスや北欧風など様々選べます。選択肢があるから選ぶわけですが、街並みの美しさを棚に上げて、自分が住みたい家のことだけを考えるなら、選択肢は多いほうが良いでしょう。

ヨーロッパの人々は選択肢が欲しいとも思わないからなのか、国民の思考が文化を大切にするなのか分かりませんが、建物を見る限り選択肢はなさそうです。
一説では、地主が大地主であることが景観と関係しているようです。

これは建物だけではなく、食文化も同じことが言えます。
ヨーロッパやアメリカではパンが主食なら日本食が食べられる環境にあっても、パンなどの小麦を使った食事であることが殆どです。パスタやピザを毎日のように食べますし、ドイツでは本当にソーセージが毎日、朝昼夜関係なく出てきます。
日本は違います。朝はパンで昼と夜は米であったり、昼にパスタを食べたら夜はパスタどころか洋食ではないものを選ぼうとします。

1日の食事のメニューだけでなく、昨日や最近食べたものまで気にします。友達をご飯を食べに行く時の場所選びに「昨日なに食べた?」「最近何食べた?」と聞きます。

最近食べていないものを選ぼうとしたり、それぞれで好きなデザインの家を建てようとする僕たち日本人には、統一感を出したくないという文化的心理があるのでしょうか。

たしかに、統一感のあるインテリアよりも、昔の団地のダイニングのような色々なものが雑多に積み上がってごちゃっとしている部屋のほうがイメージするだけでも落ち着きを感じてしまいます。

統一感のなさが日本人らしさなのであれば、今の日本の教育や会社の仕組みの、皆を同じ方向に向かせることは間違っているのではないでしょうか。
バラバラのように見えてまとまっているのが日本らしさかもしれません。

化粧品研究者こまっきー

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