化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

切り取り動画はメディアの手法

TikTokをはじめ、YouTubeやTwitterでもショート動画が上げられるようになりました。
ショート動画には2種類あり、短くまとめた動画と切り取り動画があります。

ダンスやオススメ◯選などは短くまとめた動画にあたります。30秒以内でみせるダンスやオススメのカフェ、ランチの場所など、短く分かりやすくまとめた動画です。
切り取り動画とは、ある会話の一部を切り取った動画です。有名人の会話の良かった部分や悪かった部分だけを切り取られた動画で、炎上する動画は切り取り動画が多い気がします。

炎上しやすい切り取り動画は考えてみればメディアが今までしていたことと同じではないでしょうか。
例えば、ニュースがそれにあたります。何時間にもわたる国会の討論から、重要な部分だけをピックアップして報道する。事件の様子もカメラマンが色々撮った中での一部をピックアップして報道する。これはある意味で切り取り動画そのものです。
内容を端的に教えてもらえるので、ついつい観てしまいます。ですがSNSが普及すると、「その報道は言ったことの意図が違う。」とか「前後の脈絡がカットされていると誤解を招く。」と発言した人や現地の人がクレームを投稿するようになって、端的に教えてもらえるはずのありがたいニュースが疑問視されるようになりました。

「本当のことを話しているのか?」「都合の良い部分、見せたい部分だけをみせているのではないか。」そういう声がSNS上で出てきて、疑問視を持った人たちは国会全編みるようになった。
だったら良かったのですが、そうはなりませんでした。

SNSでニュースの切り取りが疑問視されたにも関わらず、SNSでは一般人による切り取り動画で炎上することが増えました。特に、大手メディアに対して疑問視している人が誰かが作った切り取り動画を観て、怒り心頭になっている姿をよく見かけます。
その切り取り動画はニュースでは報道しない部分、悪い部分だけを切り取る動画が多いです。そしてその動画で話している本人のところに、切り取り動画が回ってくると、「意図が違う。前後の脈絡がカットされていて誤解を招いている。」となっています。

またSNS上で拡散されやすい動画は、30秒程度の本当に短い動画が多いです。短すぎるので、前後の脈絡どころか1つの受け答えくらいしか流されず、それだけで良い悪いが判断されています。

これはメディアのニュースや週刊誌の記事と全く同じ状態になっています。
やっているのが組織か一般人かであったり、切り取る部分の違いがあるだけで、やっていることは全く同じです。

全く同じなのに「これやったらメディアと同じやん。」とはならずに、SNSの切り取り動画に怒り心頭してしまっています。

これではメディアと同じではないでしょうか?

また長年やってきたメディアのほうが知識はあるので、一般人と化したメディアがSNSを利用している可能性もあるでしょう。

僕自身も興味のあるインタビュー本編が1時間くらいあると、切り取り動画に魅惑されますが、改めて本編を観ると、全然内容が違うことがよくありました。
何回か切り取り動画と本編との内容が異なっていることが分かった後、切り取り動画を観るのを辞めました。

切り取り動画の普及はテレビからSNSに横滑りしただけです。

メディアを批判する人は、世の中を良くしようと思っている方々だと思いますが、批判する人が批判している人と同じことをしていては本末転倒ではないでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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