化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

我慢はいずれ爆発する。

社会とは人との繋がりであるので、考えや行動が異なるのは当然で、その中で円滑に進めるためにルールがあります。
「このときはこうしましょう。」とルールを決めて、行動を同じにすることでスムーズになることは沢山あります。
電車に乗る時の改札口では切符か交通系ICカードというのも、当たり前過ぎて疑問を持たないかもしれませんが、これも円滑に進めるためのルールの1つです。
ある人は「現金手渡しがいい。」とか、またある人は「クレカで支払う。」と言い出して、それぞれに対応してしまうと、改札口は混雑して、スムーズに乗車と降車が出来なくなります。
最近は1つの端末でクレカから交通系ICカード、電子マネー決済など様々な決済が選べますが、それを1つ1つ操作しているのは人ですから、それを電車に対応すれば大混雑と発生する人件費で電車賃は高騰するでしょう。

そういった意味では、ルールを決めて行動を同じにすることには一定の効果があります。しかし、ルールにしてはいけない部分もあるはずです。
それが、感情です。

振り返れば、平成はルールによって感情を抑え込む時代だったと思います。
パワハラやセクハラ、暴力など、昭和の頃は当たり前のようにあった行動が問題視されて、規制されて、それらは出来ないようになりました。暴力≒熱血教師というイメージも一転して悪者になり、先生たちは教育の仕方にかなり苦戦したことでしょう。

このパワハラやセクハラ、暴力というのは、どこから来るのか?と考えると、感情から来ています。
行動と感情の繋がりは人それぞれ異なるので、どういった感情からパワハラに繋がったのか、暴力に繋がったのかは、特定することは出来ませんが、そのときには抑えきれない感情があったはずです。

パワハラや暴力を禁止にしたことで、感情を爆発させることが出来なくなりました。
爆発させてしまうと、問題になるからです。
最悪の場合、クビになってしまいます。
なので昭和時代を舞台とした映画などの作品に出てくる、感情的で急に怒り出す暴力的なオッサンのような行動は全面禁止となりました。

今では会社などの社会だけではなく、外で自分の子供に対しての怒り方を気にしないと周りから不審な目で見られるそうです。不審な目で見るその人は、昭和時代に感情を表に出しながら子育てしてきたであろうに、そんなことは忘れて、大きな時代の波にプカプカ浮いて最先端の思考が自分の考えであり行動であるかのように生きています。

パワハラやセクハラ、暴力などは相手に嫌な思いをさせてしまうので、ダメなことではありますが、
では平成時代に抑え込んだその感情は一体どこで発散出来るようになったのでしょうか。

2015年頃、海外では皿を割ってストレス発散するというのが話題になりました。
もう使えなくなった皿を集めて、好きなだけ割ってストレス発散出来る場所というのがあったそうですが、今は全く聞きません。
考えてみれば、そうりゃそうです。

自律神経がどうのこうので、香りでリラックスだとか、そういった自律神経整える系アイテムが出てきましたが、一向に精神疾患の患者さんは減りません。増え続けています。
そりゃそうです。

感情というのは、その時、その行動や言葉で腹が立って怒ったり、悲しんだりするものです。その時の感情を一旦置いといて、またの機会に皿割って解決なんて出来るはず無いんです。
後で香りを嗅いでリラックスで、解決できるわけ無いんです。
皿を割るリフレッシュや香りなどでのリラックスと、感情を表に出すことは全く土俵が違います。

平成時代に抑え込んだ感情は行き場を失い、心の中で彷徨う事になりました。
毎日毎日怒りを抑え込み、悲しみを抑え込み、色んな感情を吐き出すことが出来ず、心の中には喜怒哀楽の様々な感情が混ざっていきました。
怒っている時に嬉しいはずがないように、喜怒哀楽は混ざるものではありません。
それが混ざってしまうとどうなるのか。

自分が何で喜んで、何で怒って、何で悲しんで、何で楽しいのかわからなくなるのです。

それは大げさかもしれませんが、自分のその時の感情がわからなくなって、SNSなどの情報で“これが良い”、“ここに行くと楽しい”、“こう言われると嬉しい”という情報に右へ倣えしてしまいます。本当はそうじゃないはずなのに、右へ倣えしないと、この感情の拠り所が分からないからです。

そしてある時爆発します。
右へ倣えしても、溜まっていく感情の処理は出来ていないからです。
抑え込んでも同じことが起こります。
それが今起こっている、精神疾患が増えている原因なのではないでしょうか。

パワハラやセクハラが無くなり、暴力も無くなり、昭和のダメな部分を消して、ほぼ定時で帰るのが当たり前で、無理に上司と飲みに行く必要もなく、有給は自由に取れるような時代になって、人間として心が豊かになったのかと言うと、全くそうはなっていません。
人間の感情が抑え込まれて、精神疾患が増えているんです。
心が貧しくなっているのです。

今は爆発せずに自爆しているので、精神疾患が増えていますが、いずれ爆発するのではないでしょうか。もしくは一部の爆発を精神疾患で片付けてしまっているのではないでしょうか。

何故ルールで規制してより良い社会を目指したのに、精神的に参ってしまう人が増えたのか?
ルールで規制していく中で、何がどう変わったのか?
感情は守られたのか?
感情を守るにはどうすればいいか?
そのことを今一度、良く考えないといけません。

化粧品研究者こまっきー

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