化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

病気を治す為に必要なのは、欲望を無くすこと

例えば肌が荒れたら、化粧品を変えたり病院に行って軟膏をもらって、塗りながら「早く治れ〜!」と心の中で叫ぶと思います。

肌荒れだけじゃなく、慢性疾患での治療でも、薬を変えた時などに症状が良くなってきたら「おっ?これは治るかも。」と期待することがあると思います。

でも実際、化粧品を変えても薬を変えても、最初は良くても、結果変化無しのことが多いのではないでしょうか。

10年ほどアトピーの治療でステロイドを使わない西洋医学、漢方、中医学の漢方、煎じ薬、煎じ薬とステロイドの併用と様々な治療を試しました。
病院を変える度に「いい感じや!」と思いましたし、病院で処方が変わる度にちょっと症状が良くなって「これで治るかも?」と期待しました。
しかし、いい感じなのは束の間で、やっぱり悪くなりました。それを繰り返して、どんどん悪くなっていきました。その度に「やっぱりこの方法じゃあかん。」と他の治療方法を探して、治療方法を変えていきました。

化粧品研究者という職業柄、そして大学で細胞生物学を専攻していたこともあり、身体のことには興味がありましたので、最終的には自分で漢方や鍼灸などの東洋医学の論文、食事などの論文を読み、試してはデータを取って試行錯誤していきました。
その間だんだん、悪くなっていきました。

「痒いな。」と思って肌を擦ったら肌が捲れた時、「もう限界や。」と感じて働きながら治療をすることを諦めました。治療をしながら友達と遊ぶことを辞め、行きつけのショップで昼間だけ友達と喋ることを辞め、習いごとを辞めて、治療と仕事だけに絞っても悪化し限界を迎えた時、休むことに専念しようと決めました。

「休もう!」と決めると身体はホッとしたのか、一気に症状は悪化しました。まるで今まで我慢していたのが爆発したように。
最初は2週間くらいずっとベッドで横たわり、それから徐々に動けるようになりました。
“徐々に動いた”のではなく“徐々に動けた”です。
とにかく身体が中心の生活。
身体の調子を一番に考え、身体に合わせて生活しました。

すると、何を飲んでも対して変化の無かった漢方に変化が出てきました。炎症を抑える漢方を飲めば炎症は少し治まるけど、冷えが現れるので、結果炎症が強くなる。など症状が分かりやすくなりました。分かりやすくなったのか、自分が身体を無視していたから気づけていなかったのか分かりませんが、漢方の処方が明確になっていきました。

寝汗が無くなり、火照りが無くなると、夜の痒みが殆どなくなります。
夜のかゆみは潤い不足で当帰飲子と言いますが、その漢方では悪化し、陰虚の改善を図ることで痒みが改善していきました。僕の痒みは陰虚によるものだったのです。
こうして、1つ1つ症状が減っていきました。症状が減っていくと、より的確な治療が出来ます。

慢性疾患の場合は症状が多いので、的確な対処をするには中々時間がかかります。炎症が起こっているからと炎症の漢方を飲んでも、身体が弱っていては冷えに繋がり悪化します。漢方の処方が明確になり、陰虚対策をすれば改善していくとわかった背景には、身体が少し元気になった事にありました。

友達と遊びたい、趣味がしたい、服欲しい、山登りしたい、カラオケ行きたい、仕事がしたい。ありとあらゆる欲望は体力を消耗します。元気なときは身体を動かすことが健康の秘訣ですが、体調が悪いときは身体を動かさないことが回復の秘訣です。
体調が悪い、熱がある、肌が荒れたなどの症状から慢性疾患まで、いつもと違う症状があるということは調子が悪くなっていることのサインなので、無理をせず休む必要があります。

僕たちはちょっと症状が良くなると、遊びに行きたくなります。活発に動いてしまいます。結果、悪化してしまいます。そして病院に行き、薬を処方してもらって、飲んで、ちょっと良くなってまた活発に動きます。

飲んで、塗って対処出来る方法があると、それを選んでしまいがちです。
欲を抑えるのは辛いですから、出来るなら欲望は満たしたいと考えます。

しかし、10年間アトピーの、もはやアトピーというよりも身体全体の機能低下ですが、治療をデータを取り続けてわかったことは、病気を治すためには欲望を無くすことでした。
まず期待をしない。期待も欲望です。ちょっと良くなっても、何かしようとしない。
身体に耳を傾け続ければ、動けそうなら身体が教えてくれます。
身体が勝手に動こうとします。
その身体の声に従って生活すれば、段々良くなっていくのです。

僕が様々な治療方法を試しても改善しなかったのは、自分自身を変えなかったからでしょう。
自分の欲を抑えず、身体を無視して生活していたので、何を試しても病気は良くならず、悪化していったのだと考察しています。
悪いのは医者が処方する薬のチョイスではなく、自分自身だったのです。

休めば驚くほど身体が元気になります。どんな薬を飲むかよりもどれだけ休むかのほうが、病気が治るスピードは早いです。薬での対処では僕のように段々悪化していくでしょう。ある日突然の酷い症状でも、思い返せばここ数年ずっと同じような症状に薬を飲んで対処してきたはずです。

職業柄、アトピーなど様々な相談がありますが、この実体験を話しして、休むことを推奨しても「そんな生活は出来ない」と言い換えされます。しかし、その人達は必ず悪化しています。
ちょっと良くなっても、結局再発する。薬を変える。
これを繰り返して、徐々に悪くなっています。

30歳になると身体に変化が出るのも、身体自身の変化よりも就職してから8年間、無理をし続けてきて、1つの限界を迎えたことのほうが大きいんじゃないかと思います。

病気になれば、薬を飲んで対処する。
自分の生活スタイルは変えずに、薬飲んで仕事をすることが当たり前の世の中ですが、
身体を無視する時代に終わりを迎えようとしています。

少しでも多くの人が、そのことに気づいてくれれば良いなと思います。

化粧品研究者こまっきー

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