化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

一家に一台、暇そうな大人

時間に余裕がないとイライラします。
朝の支度で仕事に行かないと遅刻しそうなのに子供が駄々こねている時や、何時までにはこの仕事を終えたいのにギリギリ終わりそうに無い時など、自分自身のことでも他人との関係のことでも時間に余裕がない時はイライラしてしまうものです。

僕は度々「共働きは良かったのか?」と共働きについての記事を書いています。
共働きは本当に良かったのか?もし共働きを選ばなかったら、給料は上がっていたのではないだろうか?
会社は利益から1人当たりの給料を計算します。毎月売上が良くも悪くも固定して払える金額です。それが100万円で10人いれば、1人あたりは10万円ですし、20人いれば5万円です。
つまり、社員数が増えれば1人あたりの給料は減るのではないだろうか。ということです。
それを減らさずにキープするには、増えた人数分の利益が必要となります。

共働きになったことで、社員の人数は増えたはずです。
共働きですから、ほぼ2倍じゃないでしょうか。
物価は2倍になっているのに、給料は30年間変わらずということは、2人で一人前の給料ということです。
社員増えた分じゃないでしょうか。

最近、子供の頃に観れなかった、有名やけど知らなかったアニメやドラマを観ています。
今は“あたしンち”です。
まだ観始めて数話ですが、“あたしンち”のお母さんは今では考えられないお母さんです。
子供が友達を連れて家に帰ると、お母さんが居間で昼寝しています。
共働きでは考えられないことです。
でも観ていて思います。
「どちらか片方はこれくらいの余裕がないといけないのではないだろうか。」
特に子供がおる場合は。

夫婦の2人暮らしの場合は共働きでもどちらでも良いのかもしれませんが、子供がいる場合は親のどちらかは余裕がないといけないと思います。

大学の研究室で卒業研究をしていたとき、上司はずっと暇そうにしていました。「こないだ海外の取引先からSHIGOTO SIRO!ってメールが来た。」という笑い話もありましたが、暇そうなので僕は気兼ねなく質問できました。
新卒で入った会社の配属先となった営業所は支店長が1人と4つのグループがありました。その営業所では支店長を含め、グループのリーダーも、どの先輩も誰も暇そうにしている人がいませんでした。新人の僕は疑問を誰に相談することも出来ず、相談したらしたで「これ貸しな。」と先輩に言われ、余裕のない先輩は一緒にご飯に行けば自分の武勇伝ばかり話していました。「仕事どお?」とたまに聞いてくるその言葉には、聞く気がないのが見え見えでした。
仕事の相談が出来なければ、心境の相談も出来ません。
これで辞めていく人多いと思いますよ。

会社では中間管理職を超えたら、暇な方が良いと思います。
みんなの相談役となり、中間管理職のストレスを緩和し、中間管理職に当たられる新人たちのストレスを緩和する。周りからは「部長はホンマ仕事せーへん。」と言われながらも、みんななんかあったら部長に相談する。
表面的には嫌われていても、何か合った時はその人に頼る。いつでも暇そうやから、いつでも相談出来る。そういうポジションがいる部署の方が、辞めていく人は少ないように思います。
今の職場に足りないのは、そういうポジションではないでしょうか。

これは家庭にも当てはまります。
いつも暇そうで、学校から帰ってきたら昼寝しているお母さんだからこそ、相談出来ることって沢山あるはずです。それが学校から帰っても家に誰もおらず、夜の19時とかに帰ってきて子供が玄関まで親をお出迎えし、「ごめんね〜急いで晩ごはん作るからね!」とバタバタしているお母さんをみて、食事中に相談って出来るでしょうか。子供は結構そういう空気を感じるが得意ですので、相談はするけど遠慮していると思います。
子供は自分の感情を表現するのが苦手ですが、感情を出すタイミングがないので、どんどん溜まっていき、ある時精神疾患に陥ってしまいます。承認欲求が高まってしまいます。

余裕がないとイライラしてしまいますので、仕事が遅くなり仕事のイライラを引きずったまま帰宅すると、「ごめんね〜」と言いながらピリピリしていて、子供は八つ当たりを食らわないように気を使います。
共働きでなくても、趣味を謳歌している親も同じくでしょう。

会社でも家庭でも、教育する立場であるならば、誰か一人は暇そうな人が必要です。
勿論、主婦は決して暇なわけではなく、朝は早起きでお弁当をつくり、洗濯に皿洗い、掃除にスーパーで昼過ぎにやっと一息つけて休憩しているだけなのですが、子供はそのバタバタしたところが見えていません。学校から帰ったら、昼寝かテレビに観て笑っている暇そうなお母さん。そう見えているからこそ「ねえねえ聞いてー」とお話することが出来るのです。

各部署に1人、一家に一台、暇そうな大人。
共働きになり、数年でポンポン転職してしまう社員が増えて、会社も安定しなくて人手不安になっていった結果、暇そうな人を見かけなくなりました。

絶滅危惧種は守るべきではないでしょうか。
バタバタしているけど、給料が上がらない悪循環な社会に必要なのは、暇そうな大人ではないでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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