化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

アトピーから考える、見えないほうがいいこともある話


新卒で入った会社が合わなくて、辞めてから全身アトピーになって、かれこれ9年が経とうとしています。

ステロイドの使わない皮膚科、漢方薬局、また違う漢方薬局、煎じ薬を処方する漢方薬局と数年単位で病院を渡り歩き、ここ数年は自分で勉強しながら漢方がメインの皮膚科の先生に自分の意見も伝えながら、漢方を処方してもらっています。
また、漢方を飲むだけでは病気は治らないので、生活面も気にして行動します。
動いて疲れない程度の日常を過ごし、季節の変わり目や季節ごとの対応を考えて、無理のない毎日を過ごす。仕事でどうしても忙しくなった日はやっぱり肌が一気に痒くなって荒れてしまいます。9年もアトピーに向き合っていると、こういうときの諦めは早いもので、次の日はゆっくりして身体を休ませるようにしています。

最近、“見える化”という言葉がよく使われていて、新しいビジネスとなってるようです。
アトピーの経験からいうと、見えない方がいいことは沢山あります。
カサカサした肌が見えると気になります。見えるから触ってしまい、触ると痒くなってきて掻いてしまう。傷口が出来て、それがまた痒くて夜は眠れない。典型的なアトピーの悪循環ですが、これが見えない、空気に触れないだけで掻いてしまう頻度が一気に減ります。
胴体は肌着があるのでカバーできます。胴体がかゆい人は、胴体に熱が籠もっているので、肌着は薄めで重ね着をし、上手に熱を外に出すことが必要です。冬でも厚みのある肌着にすると、熱が籠もって痒くなってしまいます。
手には5本指出し軍手がいいです。指先が出ているので作業しやすく、軍手は通気性が良いので蒸れによる痒みを防ぐ事ができます。また安いので、軟膏やクリームを塗って軍手がしっとりしてきてしまっても、気兼ねなく新しいのに交換することが出来ます。
肌着もそうですが、軟膏などを塗っている場合は軟膏などが肌着に染み込んで、汗を吸う力が弱くなっています。通気性も悪くなっているので、肌着は定期的に変えた方がいいです。
僕はかなりオイル塗っているので、3ヶ月に1回のペースで肌着を変えています。

話が逸れてしましましたが、“見えないから気にならない”というのはすごく大切で、なんでもかんでも見えていると、あれもこれも気になり、神経質になり、そんなに気にしなくてもいいことでも過剰に反応してしまいます。

アトピー発症し始めの頃、ちゃんと寝れているのか気になって睡眠アプリなるものをダウンロードし、毎日枕の横にiPhoneを置いていました。
今となっては就寝前はiPhoneを触らないほうがいいというのに、おかしなことをしていたと思います。
使ったアプリはいびきや、ベッドの揺れによる寝返りの観測で睡眠の質をは図りるものでした。すると、毎日いびきをかいていないかどうか、寝返りをうちすぎると睡眠の質が悪くなるのではないかと気になるのです。アプリ上での結果を良くしようとして、そんなことばかり考えてしまい、全然寝れない日々が続きました。トイレに行くときもそっと起きて、揺れを防ぐ。そんなに神経質になっていては、寝れるはずがありません。アプリの結果は良くても、不眠の日々でした。
睡眠なんて、朝起きた感覚だけで十分です。
そして寝れる日もあれば、寝れない日だってあります。

“見えるから気になる”のです。
今、気になっていないものは、気にしない方がいいです。
気になるものを増やせば増やすほど、自分で自分を束縛することになります。
モノが増え、神経を使うときが増え、気がつけば自分の好きなことに没頭する時間と余裕がなくなります。
多分、会社の居心地も“見え過ぎ”によって悪くなっているのでしょう。

世の中がどんどん“見える化”を勧めていっても、ひとりひとりがその息苦しさに気づき、取り入れないことで、見える束縛を防ぐことが出来ます。
僕はアトピーで実感しましたが、睡眠アプリや仕事の部分からも、すでにそう感じている人は多いのではないでしょうか。
嫌なら、取り入れない。
大切なことだと思います。

取り入れて窮屈になっても
誰もなにも助けてはくれないのですから。

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