化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

勉強したら、自分の身の回りと照らし合わせる

本を読んだりYou Tubeを観て勉強した後、「なるほどな」で終わってはいけません。

新しく学ぶことの大半は自分の今まで経験してきたことに似ていると思います。
例えば、最近オートファジーという言葉を耳にしますが、いわゆるリサイクルです。身体の中で不要になったものは捨てられていると考えられていましたが、実は再利用していたというのがわかり、オートファジーと名付けられました。
2016年にオートファジーの研究を長年されている大隅先生がノーベル賞を取られたことでオートファジーが有名になりました。そしてダイエットや健康がどうこうと、すぐビジネスにしたがる方が多いですが、オートファジーという行動は身体が毎日行っていることです。別に自分が身体に「オートファジーしろ!」と命令しても身体はその言葉を無視して、身体のペースでオートファジーを日々行います。身体は常に一定のペースで仕事をこなそうとしています。過剰になることもダメで不足することもダメです。それを乱し不健康にするのは自分の欲なんだろうなと思います。
そしてオートファジーと新しい言葉が出てきて「何だがわけわからないし、理系の難しい話でしょ。」と先入観を持たずに、シンプルに考えてみると、僕たちが日々やっているリサイクルと似ている事だとわかります。

最近、大学のときに学んだ生物学をもう一度勉強し直しています。
細胞生物学を専攻していたので、細胞の基礎知識、代謝などの振り返りになります。
まあ、大学の頃にチキンと勉強していた記憶はあまりないので、大学のときにかじった知識を今一度ちゃんと学ぼうという気持ちです。
化粧品の研究職に就いて、研究をする度に身体のことが気になります。その度に気になるところだけの知識を得ていましたが、改めて基本的な知識から勉強し直すと、細胞とは自分たちの社会とすごく似ているように思います。

工場の流れ作業はまさに細胞の中と似ている動きです。前から流れてきた炊飯器を受け取り、ネジを閉めたら次に渡す。カバーを付けて、次に渡す。工場の流れ作業のような光景が細胞の中で行われています。
そしてその部品が足りなくならないように、工場のラインの後ろには部品を補充する人がいます。ミスが起こったら停止ボタンを押して、一番前の人にベルで伝えてラインを止めます。これは身体でいう負のフィードバックと似ています。
会社の1つの部署の関係、1つの会社の仕組みなども細胞とすごく似ています。

僕たちを小さく小さくすれば、細胞になるなと思いました。1つ違うのは意識の有無ですが、細胞を大きくすれば筋肉などの組織、更に大きくすれば身体、更に大きくすれば僕たちの社会という風に、大きくなっても基本的なことは変わっていないことを知りました。

そう思うと親近感が湧きます。「ATPは通貨」と思いながらみると買い物をしている自分たちと同じようなものだと思えば、イメージしにくい細胞の働きもわかりやすくなっていきます。
式や図で聞いたことない言葉が並んでいるから頭が拒否反応を起こしてしまうので、できるだけ自分の普段の生活に似ているところを見つけてイメージすることで、難しい本も少しは楽しく読めます。

勉強をして、知識だけ取り入れても活用出来なければ意味がありません。
活用は難しいと思われがちですが、得た知識はその時しか使えないと思っているのではないでしょうか。生物学なら生物学のジャンルでしか通用しないと思っていると他では活用出来ませんので、得た知識の活躍場面はありません。生物学の知識を披露する場面なんて殆どないからです。自分の社会に似ているところと繋げることで、得た知識を活用することが出来ます。

僕はいま、生物学を学びながら化粧品の役割を今一度考え直すようにしています。どこまで化粧品でやるべきなのか?その答えは身体の仕組みにあるはずです。
そして同時に、自分たちの社会に似ていることに気づき、本を読みながら勝手に擬人化しています。

知識だけ取り入れて結び付けれない人は、同じジャンルを学んだときも結びつけることが出来ず、学んでも学んでも成長していかない。なんてこともあります。

せっかく勉強して知識を取り入れたわけですから、ちゃんと活用できるように、自分の身の回りと照らし合わせて似ているところを探してみて下さい。

化粧品研究者こまっきー

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