化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

肌トラブルが気になるなら、まずは色んなものを食べるべし。

化粧品の研究、そして自社ブランドの販売をしていると研究者ということもあり、肌トラブルの相談をいただくことがあります。
自分自身がアトピーで通院していても中々治らないので自分で論文を読んで勉強し、研究のように試してデータを取っていった事もあって、治療について自分なりの結論を持っています。

化粧品が合わなくて悩む人には2パターンあります。
季節の変わり目に化粧品が合わなくなる人と、季節関係なく化粧品が合わない人です。
前者の人はビーガンなど野菜中心の食事に偏っていたり、ダイエットや食事制限をしてしまっている人に多い傾向にあります。後者は肉中心の食生活の人に多く、化粧品でも植物オイルが合わない人が多い傾向にあります。

身体の部品の殆どはアミノ酸、つまりタンパク質ですので、肉を食べないと部品が足りなくなります。糖質はその部品を作るエネルギーとなるので、糖質制限をすると部品を作るペースが遅くなります。脂質は邪魔者と思われがちですが、実はエネルギーの貯蔵庫としての役割もあり、水溶性の貯蔵庫よりも6倍ものエネルギーを貯蔵出来るのです。この6倍がどれくらいすごいのかの一例に熊の冬眠があります。熊は秋に大量の木の実などの高カロリーな食べ物を食べて、皮下脂肪として蓄えて春になるまでは殆ど食事をせずに冬眠します。メスの熊はなんと冬眠の間に出産まで行います。6倍のエネルギー貯蔵はそれくらい凄いことであることがわかります。
熊の冬眠に欠かせない脂肪は他にも水分保持の役割もあります。ラクダが砂漠で生活出来るのはコブにたっぷりの脂肪があるからです。その脂肪が水分の貯蔵庫の役割をしてるからこそ、ラクダは砂漠で生活出来ます。邪魔者扱いしている脂肪は水分とエネルギーの貯蔵庫であることを考えると、肌の潤いには脂肪が必要で、元気で健康的な生活を送るにはエネルギーが必要になり、その貯蔵庫である脂肪は必要であることがわかります。
脂肪が減るとエネルギーの蓄えができなくなるように、エネルギーがないとタンパク質を使って部品を作れないように、糖質もタンパク質も脂質もすべて必要で、どれも繋がっています。
偏った食生活を何年もすると、食べなかった糖質、アミノ酸、脂質のどれかが足りなくなります。足りないのでペースを落として対処するしかありません。季節の変わり目は体温調節で身体はすごく忙しくエネルギーが必要になりますが、ビーガンなど野菜中心の食生活ではエネルギーの貯蔵もエネルギーも部品も足りないので、体調を崩しやすくなり、結果季節の変わり目に化粧品が合わなくなるのです。
これは僕自身の実体験です。
アトピーは肉を辞めて野菜中心の生活にしたほうがいいというのは嘘です。
その人が何を食べすぎていて、何を食べていないかを判断する必要があります。
なんでもバランスです。

1933年にドイツ人の生化学者、ルドルフ・シェーンハイマーはこう言いました。
「生命は機械ではない。流れているものだ。」と。
当時、食事は動き続けるためのエネルギーの摂取であり、燃やして使い終わったら排泄すると考えられていました。今でも食べたものは分解されて、吸収されて自分の栄養として活用していると思っている人は多いのではないでしょうか。
彼はこれ証明しようとマウスの食べ物に栄養価も味も匂いも変わらない色を付けて、食べ物がどのように排泄されていくのかという実験をしました。
すると、食べた食べ物のうち半分以上は燃やされることなく、そのままネズミの身体の様々な場所にとりこまれたのです。更に排泄物は食べ物のカスではなく、自分の身体から分解されたものでした。つまり、チーズを食べたネズミはチーズのカスを排泄しているわけでなく、チーズの半分はエネルギーに、残り半分はチーズの細胞のまま身体取り入れられ、身体の中にある成分とチーズを入れ替えて、身体の中の成分を排泄していたというわけです。

つまり、色んな食べ物を食べることは栄養バランスだけでなく、身体の成分のバリエーションにも影響が出てきます。
「タンパク質を取れば良いんだから、プロテインでいいでしょ」とタンパク質はプロテインでばかり取っていては、身体の中のタンパク質はプロテイン1色です。鶏肉豚肉牛肉、卵に大豆に魚。様々なタンパク質を食べるからこそ、身体のタンパク質のバリエーションが生まれます。
バリエーションが生まれるということは適応能力が上がります。
野菜も炭水化物も同じです。
特に野菜は肉や穀物よりも季節ごとに様々野菜があります。形や色も様々ですから、色んな野菜を食べると適応能力が上がるのでしょう。しかし野菜だけではエネルギーと部品が足りないので、季節の変わり目に肌トラブルが起き、肉ばかりの人はエネルギーと部品はあるけれど適応能力が低いので、いつでも合わない化粧品が多いと考えられます。

肌トラブルも、季節の変わり目に体調を崩さないようにすることも、大きく考えると“色んな気候や環境に対応出来るかどうか”ということです。
それを運動したり化粧品変えたり食事制限したりリラックスアイテムを使ったりと、目に見える行動の部分で対処しようしてしまうがちですが、それ以前に身体のバリエーションを増やしておく必要があります。

色んなものを食べることは、栄養バランスだけではなく、
身体が強くなることに繋がります。

身体が強くなれば、体調は崩しにくくなり、肌トラブルも起こりにくくなります。
すると、肌は荒れることが減るので、どんどんキレイになっていきます。

キレイを目指すには、
余計な事は考えず、
まずは色んなものを食べていきませんか?

化粧品研究者こまっきー

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