化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

AI美女から読み解くメイクの未来

パッと見イラストなのか実物なのかわからないくらい、AIのイラスト技術が発達してきた。
インスタで“ai美女”と検索すると出てくる。
あまり詳しくないが、本人であったりサイト上のモデルをai生成し、顔立ちの整った“ai美女”という写真が出来るらしい。
一種の加工アプリで、少し前に流行った加工アプリ“スノー”やプリクラの、更にリアルになったアプリだろう。

こういうものが出てくると、僕はなんだか複雑な気持ちになる。
人相科学という学問がある。
人の顔にはそれぞれ特徴があり、その特徴と性格類似している。
性格は顔に大きく表れていて、顔から性格を読み解く学問だ。
1種の統計学なので、参考程度に本を読んだことがあるくらいだが、性格診断よりは科学的に分析されていた。
性格診断とか血液型診断などが好きな方は石丸賢一さんの“見た目だけで人を見抜く技術”という本を読んでみると楽しんでもらえると思う。

また、食事が顔に表れるという考えもある。
イライラしている人に「カルシウム足りてないんじゃない?」という嫌味とか
考え事や多忙で頭がぼーっとしているときに「甘い物が欲しい」と思うように、
食べ物は身体の栄養になるので、顔や身体だけでなく性格にも表れている。

そのように、顔には性格などの個性が表れているのに、加工して皆同じにしてしまうことに違和感を感じる。
顔に表れるくらいみんなが自然にもっているものなので、個性を気にする必要はない。

最近の多様性も不自然だ。例えば学校の中でも、学校に馴染める人もいれば馴染めない人もいる。習い事が自分の好きな場所の人もいるだろう。たった30人くらいのクラスの中でもいくつかグループが出来るように、30人すらまとまることはない。
30人のクラスの全員の意見を否定しないのと同じように、多様性を受け入れた結果、全員が生きづらい社会になるだろう。それぞれを尊重しあう必要はあっても、まとまる必要はなく、細分化されていけばいいと思う。
自分に合う場所を探し続ける、僕たちの人生はある意味で“自分の居場所探し”なのかもしれないと最近思う。

個性がない。というのも不自然で、顔に既に表れているのに、生まれた時点で全然違うのに、無いことが前提で、ネット情報の調べ方に基づいて個性が人工的に作られようとしている。
個性という言葉を強調しながら、“個性を同じ”にしていこうとしているように見える。

プリクラや加工アプリなどはその一環のようで、学生の頃からあまり好きではなかった。

僕らが学生頃と違い、今は高校生でもバッチリメイクを決めるようになった。
SNSの普及でネット上の自分が良くみえるような写真の撮り方やそういうメイクが流行り、SNSではキレイな女性ばかりが並ぶからか、プチ整形する人も出てきた。
あれは角度やメイクや加工などが要因でもあるので、よく考えて頂きたい。

僕は化粧品研究者として、自社ではケア用品とベースメイク、プロデュースでメイクアップ製品なども手掛けているが、メイクは加工ではなく自分の魅力を引き出せるアイテムであったり、コスプレのように一時的に楽しむアイテムになればいいと考えている。

最近は“AI美女”なるものが出てきて、SNS上では今まで以上にキレイな女性が増えた。
これからますます、“AI美女”に憧れて、あれこれする人が増えるのかもしれない。

しかし、増えた後は「振り出しに戻るんじゃないか?」と推測している。
つまり、顔立ちの整った人への憧れから、自分自身そのままでいることの憧れだ。

多少体調が悪くても休もうとは思わないが、高熱が出たり歩けないほどの疲労が出て、初めて休もうとする。それと同じように、人というのは行き過ぎて初めて、行き過ぎていたことに気づく。

一旦、整った顔立ちへの憧れがブームとなり、それが当たり前になっていった先には、人それぞれの本当の個性に戻る。
人相科学にあるように、性格は顔に表れるのであれば、顔と性格が異なっていると不自然で違和感があるだろう。
それに気づくまでには後もう少し。ではないだろうか。

化粧品研究者こまっきー

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