化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

要らないなら使わなくていいんです。-後編-

 

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前回に引き続き、今回はメイク関係の“ノー◯◯”について話していこうと思います。

そもそもメイクはスキンケア以上に、必要ではありません。
メイクというのは、素顔からメイクで整えて少しキレイにしたり、色遊びで素顔の時とは違う雰囲気を作って楽しむものだと僕は考えています。
別人になるためのメイクとは考えてはいません。
この考えであることを前提にメイク要らない説にについて話したいと思います。

まずは“ノーファンデ”です。
ファンデーションは肌全体をキレイに見せるものです。肌そのものをキレイにするのではなく、メイクに入っている成分の効果で、肌を一時的にキレイに魅せるものです。
なので、このファンデーションの効果や仕上がりが必要ないと思うなら別に使わなくていいと思います。
ファンデーションを使ってキレイになる、またはファンデーションを塗った時のその仕上がりが好きな人が使ったらいいと考えています。

ファンデーションが原因で肌荒れするという意見もありますが、肌にはクレンジングや洗顔で顔を洗い、何種類かのスキンケアをして日焼け止めと下地を塗ってファンデーションを塗ります。
ファンデーションを塗るまでに洗顔料合わせると6種類くらいの化粧品を使っています。
ファンデーション合わせて7種類も使用していると、どれが原因かの特定は非常に難しいです。

また、体調を崩すと肌は荒れやすくなります。
100%ファンデーションが悪いと特定するには、日常生活は変わらず、体調面の変化なく、ただファンデーションを無くしただけで気になっていた肌の違和感が無くなったのであれば、ファンデーションが原因かもしれません。

肌荒れは起こってから治るまでに時間がかかりますので、ファンデーションをやめたタイミングと肌荒れが治ったタイミングが重なることがあります。
これはスキンケアを変えて肌荒れが治ったと感じる時も同じです。
この場合はタイミングが重なったのか、ファンデーションが悪かったのかの判断がつきません。

肌荒れはすぐの変化ではなく、数ヶ月使ってみて、日常生活も体調面も変化はない場合に肌荒れが起こらなかった時は、ファンデーションをやめたことやスキンケアを変えたことが良かったと考えられます。
ですが、日本には季節の変化もありますので、自分が肌荒れしやすい季節から肌荒れしにくい季節に変われば、自然と肌荒れしにくくなりますので、やはり原因の追求は難しいです。

ファンデーションを塗って少しするとピリピリとした刺激を感じていたのが、塗るのをやめるとピリピリしない。というのであれば、ファンデーションが原因と考えられるでしょう。
その場合、全てのファンデーションがその人に合っていないわけではないので、ファンデーションの仕上がりが好きな方はピリピリしないファンデーションを自分で使って見つけていくしかありません。

ファンデーションの成分には粉が含まれており、それが肌をキレイに魅せているのですが、粉は水分や油分を吸うのでそれによる乾燥はあり得ます。
なのでプレストファンデーションよりも油分が多いリキッドファンデーションのほうが乾燥しにくいです。

「下地を塗っているだけ。」という方もいますが、下地もファンデと同じく粉が入っています。カラーコントロールやストロボなどは色をみても分かる通りファンデーションとはちょっと違った粉の成分も入っていますが、肌色の下地はファンデーションの色やカバー力を薄くしたものです。
薄いから粉の量が減ったのか、ただ色の量が減っただけで粉の量はファンデーションと変わらないのかは判断できません。
ファンデーションの代わりに下地を使うのは、“薄付きなファンデーションの仕上がりが好き”ということで“ノーファンデ”とは言えません。

紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは紫外線を散乱してくれる粉を使用して吸収剤と同等のSPF・PA数値を出しています。
下地でいうカラーコントロールなどの成分が紫外線散乱剤になったということです。

僕は日焼け止めは汗で流れやすいので、日焼け止め対策をしたい人はファンデーションを塗ったほうが長持ちすると考えています。粉の密着によって日焼け止め成分が汗で流れてしまうのを防いでくれるからです。
紫外線吸収剤は太陽に当たれば効力は弱まっていきますが、散乱剤の場合は肌に密着している限り効力を発揮しますので、ファンデーションがヨレていなければ日焼け止めの効果は持続していることになります。

ファンデーションの仕上がりが好きかどうかで、ファンデーションを使う使わないを決めるといいと言いましたが、紫外線対策をするなら、素顔ではなく何らかのアイテムが必要になります。
紫外線対策に何かを塗るのであれば、日焼け止めの効果を含んだファンデーションを使った方が、持続があり、乾燥が気になるのであればプレストファンデーションよりもリキッドファンデーションの方がいいでしょう。
日焼け止めとファンデーションを塗るのではなく、日焼け止めの効果を含んだファンデーションと言ったのでは、色々塗ると化粧崩れが起こりやすくなるからです。

日焼け止めにカラーコントロールとか保湿とかの下地を塗ってファンデーションを塗った時の方が、化粧崩れが起こりやすいことは、みなさん経験があると思います。
プロは時間をかけて丁寧にメイクすることができますが、日常生活ではそこまで丁寧にはできませんので、重ねるとどうしてもメイクは崩れやすくなります。
メイクが崩れると日焼け止め効果も一緒に崩れていってしまいます。

そこで、日焼け止めと下地とファンデーションの3つの効果を配合したこまっきーファンデーションをオススメします。
下地もカラーコントロールやストロボ、ソフトフォーカスなど数種類の下地効果を配合していますので、厚塗りにならず、白浮きせず、自然な仕上がりで、メイクが崩れにくいようになっています。

前回話したノースキンケアの定義と同様、ファンデーションを使ってないから良いという意見がありますが、その代用品はファンデーションと同じような成分が入っています。
“ノーファンデ”の方がいいと考える人はファンデーションに含まれている粉が肌に悪影響であると考えていると思います。
素顔の方がお好みである場合以外は、変に気にして代用する必要はないでしょう。

次に“ノーメイク”です。
“ノーメイク”はファンデーションなどのベースメイクではなく、ポイントメイクのことを指します。
これはもうほんとに、好きな人がしたらいいので、良い悪いとかそういう問題じゃないと思います。口紅で赤く塗って色っぽい雰囲気になれるのが好きとか、マスカラやアイライナー、アイシャドウで目をキレイに魅せるのが好き。とか“遊びゴコロ”の話です。
そういう“色遊び”が好きじゃない人は使わなくていいと思いますし、どれかだけでも良いと思います。

“ノーメイク”という言葉が出てくる背景には、メイクをするということはあれもこれも塗らなきゃいけないことと、そこにかかる費用面などに抵抗があるのでしょう。
確かに、2010年頃までは、目周りをしっかりメイクするならリップ周りは薄くもしくはアイテムを少なく、リップ周りに発色のいい色を使うなら、アイメイクは薄くもしくはアイテムを少なくという風に、どっちかに重点を置いていました。
目周りはアイライナーだけかマスカラを塗って、ピンクのチークに薄めのリップという3アイテムの時もありました。
とくにアイメイクの普及は最近なので、60代以降の方は口紅だけが多いです。

2015年頃にナチュラルメイクというメイク方法が出てきてから、メイクの仕方が一気に変わりました。アイライナーを引いてマスカラを塗って、アイシャドウにチークにリップにと全てのメイクアイテムをフルコースで使うようになりました。
フルコースで使うとなると発色が良すぎると顔全体がすごいことになってしまいます。なのでアイライナーにブラウンが出てきて、アイシャドウは茶色系が主流で、口紅も薄いピンクとかベージュ系の色と全体的に落ち着いた色に変わっていきました。
「ナチュラルメイクって言いながら、アイテムめっちゃ増えてるやん。」と僕は思いましたが、そう思う人がいるからこそ“ノーメイク”という言葉が出てきたのではないでしょうか。

夏はオレンジのアイライナーを引いて薄いカラー系の細かなパールが入ったアイシャドウを重ねて、唇は薄く黄色よりもピンクやオレンジ系のリップを塗るくらいの、3アイテムで完結でもいいと思います。

メイクは服装にプラスして雰囲気を出してくれるものですから、ナチュラルメイクの概念に捉われず、メイクを楽しんでもらえたらと思います。

口紅を使いたいけど塗ると荒れる人は、キラキラしていない口紅を使ってみてはいかがでしょう。お店に行って、手の甲に塗ると判断できますので、唇が荒れるけど口紅を使いたい人はキラキラが入っていない口紅を使ってみてください。

ちなみにメイクには認知症予防効果があります。
化粧をするという行為は考えて塗らないと変になりますし、口紅も集中して塗らないと唇からはみでてしまいます。メイクすることに集中力などが必要なことから、脳を活性化させて認知症予防になるというデータがあります。

化粧品だけでなく、どの業界でも“使って当たり前のアイテム”は本当に多いです。
特に便利という言葉が前に出てきてから、“使って当たり前のアイテム”に入ったものがかなり増えたなと感じています。

化粧品は使うのが当たり前という先入観があり、それ故に“ノー◯◯”という言葉があります。
化粧品研究者である僕は“要らないなら使わなくていい”と思っています。
ただ、“ノー◯◯”での発信とは、使わなくていいことの考え方が違うと思ったので、自分の考えを紹介してみました。

化粧品に限らず、何が流行っていようと、何が“使って当たり前のアイテム”と言われようと、自分には必要ないものは買わないし使わないと思います。
それと同じように、自分が必要だと思う化粧品を使って楽しんで欲しいです。
今回の話が自分に必要な化粧品の基準決めの参考になればと思います。

化粧品研究者こまっきー

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