化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

地方の都市化が貧困を生む。

お気に入りのコーヒー焙煎所が近く2つにありました。
それぞれ同じ産地の豆でも焙煎度合いや農園の違いで味が違うので、その時の気分に合わせてコーヒー豆を買っていました。
ところが少し前に2つのうちの1つが、同じ街のちょっと都会な場所に店を出した。すると店舗拡大してから少し経った頃に「コーヒー豆の価格高騰のため、値上げします。」と張り紙があり、100g辺り100円前後の値上がりをしました。買う側としては結構な値上げで、「流石に100円も上がるとお財布事情が厳しくなるなあ。でも仕方ないか。」と思っていたのですが、もう1つコーヒー焙煎所は値段が変わりませんでした。

そこで気づきました。
「これが土地代ってやつなのでは。」と。

ちょっと都会な場所に店舗を構えることで、経費がかさみ、その分の価格アップだったと推測しました。それからというものの、美味しいのは美味しいのですが、特別そこに拘っていたわけでもなく、味変の気持ちで2件の焙煎所で買っていただけなので、値上がりを機にもう1つの焙煎所だけに行くようになりました。

物価上昇とか、最低賃金アップとか言うけれど、こういう値上げもあるみたいです。
20年も前の頃だと、大阪でいう都会である梅田や心斎橋付近以外は市内でも結構下町の雰囲気の街が多かったです。その下町に新しいマンションが建ち、街がキレイになると、今までよりも家賃が上がりました。梅田に近いキレイなマンションに住みたい人は都市化された下町に移り住みました。

しばらくすると大阪市内から少し離れた場所を開拓し、街をキレイにして、“同じ家賃だけど少し広くて静かな街”という売り文句で注目を集め、今度は市内に近いその場所に移る人が増えました。
そしてどんどん都心から離れたところも同じような売り文句で、“都心に近い街よりも家賃安くて静かな街”や“都心からそれなりに離れているけどこの家賃でタワマン住める静かな街”というふうに聞こえる売り文句で地方をキレイな街に変えていきました。
この売り文句は僕の嫌味が入っており、実際の売り文句は覚えていません。

僕の地元も家賃4,5万くらいで住める街だったのが、駅前にタワマンが建ったことで周辺の土地代が上がり、今では7万円が相場になっています。

土地代が上がり、家賃が上がるということはテナント代も当然上がります。街開拓による都市化以前からテナントを借りて仕事をしていた会社の中には、都市化によってテナント代が上がって困ったところも多いでしょう。テナント代が上がると、その分売り上げが増えないといけません。経費だけが増えると、利益が減るということで、社員への還元も少なくなります。

テナント代が上がれば、コーヒーの焙煎所と同じように、食品から日用品、飲食店など色んな分野で値上げが起こります。
家賃や食費が上がった街に住み、テナント代が上がって社員に還元出来ないところで働く。
今の貧困って地方の都市化が原因ではないでしょうか。

都心が活性化するのはいいと思います。
新しい建物を立てて、テナント代も家賃も上がり、それでも住みたい、ここに会社を置いておきたい人たちが集まる。
そこでお店をしたい人が開く。その分頑張らないといけない。
それでもここがいいからと、納得しているのならわかります。
地方や都心から離れた場所はそういうのではなく、のんびりと過ごしたい人が住み、ガツガツした仕事をするのは向いてない人の居場所だと思うのです。

街をキレイにしたことで何も変わらなければいいのですが、間違いなく土地代が上がります。
同じ街、市内でもキレイに開拓した場所とそうでない場所では家賃もスーパーの値段も違います。
僕の住んでいる市内でも、開拓している場所でのスーパーはただの国産若鳥もも肉が100g120円です。僕の近所のお肉屋さんでは大山どりもも肉が100g120円、安い日に買えば100円で買うことが出来ます。
この差は自転車で10分の距離です。

会社は都市化によって経費ばかりが増えるので、社員の給料はなかなか増やすことができません。
新しい建物を作って街を忙しなく活性化するのは都内や梅田などの中心地だけでいいのではないでしょうか。
関西でも本当に田舎といってもいい景色の駅前にタワマンが2つ3つ建っている場所があります。
“同じ家賃だけど少し広くて静かな街”のタワマンです。

人口が減っているのに、なぜここまで都市化を広げる必要があるのでしょう。
最近は田舎の雰囲気の良さも再認識されているのですから、ちょっと前よりも受容はあると思います。僕の好きなアーティストは田舎の方の古民家に移り住んだとSNSで投稿していましたし、知り合いは最近ずっと古民家を探し続けています。

地方が都市化してしまうと、地方や田舎の良さが失われてしまうように思います。
たった自転車10分の距離でも、鶏肉の値段が違うように、コーヒーの値段が変わるように、物価だけでなく、街の雰囲気も変わります。

むやみやたらに都市化したことで、勝手に生活費が上がり、貧困を生む結果になっているのではないでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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