化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

リーダーは周りが決める。

中学2年生の時、部活動をしていると3年生が引退した後は「誰が部長副部長になるか?」という話になると思います。僕が所属していた部活では、部長と副部長は先生が決めるのではなく部員がそれぞれ誰が良いと思うかを紙に書いて提出し、多数決で決めるという方法でした。

部活後に教室に集まって、投票をしました。
立候補というものがなく、ただ自分が自分以外の「この子が部長、この子が副部長がいいんじゃないか。」と思う人を紙に書きました。

今思えばすごく良いやり方だと思うのですが、当時は投票する前から部長と副部長は決まっていたようなものでした。
「俺が部長をやりたい。」
そんな雰囲気を醸し出していた子がいたからです。

僕も周りも「やりたい人がいるならその子でいいんじゃないか?」というような空気がありました。
所属していた部活はラグビー部でフォワードとバックスからそれぞれ1名ずつ選びました。

フォワードの方は向いてそうな子が1人しかいなかったので、ほぼ一択でした。
バックスの方は「部長をやりたい。」という雰囲気を醸し出している子が1人と、部長に向いてそうな子が1人いました。
僕は「部長やりたい人がおるならその子でいいか。」という考えでしたが、確かもう1人に投票した人が少しいたと思います。
そう思えば、違う子に投票した人は部室では話を合わせていただけで、実際の考えは違っていたのでしょう。

バックスの「部長をやりたい。」と言っていた子が部長になり、フォワードの子は副部長となりました。
このことを最近ふと思い出して、これは失敗だったなと思います。

「部長をやりたい。」その子は小学校の頃からラグビーをしており、お兄ちゃんも違う学校でラグビーをしていて、めちゃくちゃ上手かったです。
部長というのはラグビーの上手い下手で判断するのではなく、チームをまとめられるかどうかが判断基準となります。

その子のポジションはバックスの中でも走ってステップを踏んで相手を抜いてトライに繋げるポジションでした。いわば花形です。
足が速く、ステップも上手くて、相手をかわしてラインを押し上げることが優れていたその子はチームの中でもずば抜けていました。

1つ優れた部分があるのに、プラス部長という役割を持つとメリットがデメリットになることがあります。
実際にその子はボールを持つと自分がタックルされて倒れるまで走り続けました。
チームのメンバーが近くにいて、パスをすればトライできそうな時でもパスをしませんでした。
当時は周りからみると、かなり自己中心的にみえていました。

しかし最近、このことをふと思い出した僕は「自己中心的にさせてしまったのは、その子を部長に選んだ僕たちのせいかもしれないと思いました。」

チームの中でずば抜けて上手い子が部長になるとどうなるでしょう。
「自分がチームを引っ張らないといけない。」という気持ちと「バックスとして、ここぞというときにはトライを決めないといけない。」という気持ちが合わさって「部長なんだから、自分がボールを持てば、ラインを押し上げるかトライに繋げなければならない。」と考えてしまいます。

部長というのはまとめ役です。
トライを決める役ではありません。
それでもチームが苦戦していると「俺が部長なんだから、なんとかしないといけない。」と考えてしまうだろうなと思いました。

ボールを持ったら離さないというのは、目立ちたかったというのもあるかもしれません。
中学のときにはオール大阪という大阪代表の選抜チームがありました。
大阪の各中学校から上手な子たちが選考を受け、大阪の中学生のうまい子たちが集まったチーム、それがオール大阪でした。
オール大阪は各中学校のコーチが監督などを担当していたので、選考のときだけではなく、公式戦などでも目立てばオール大阪の監督の目に留まります。

なので選抜になりたいと思うと、公式戦で目立たなければと考え、自己中心的になってしまう可能性もあります。
ですが、部長の役職はその気持ちを押し上げてしまったように思います。

部長ではなかったら、自己中心的になりそうな気持ちを抑えられたのでしょう。
部長になったその子は自分でなりたいと言っていたものの、部長になった後は自分の立ち位置にかなり悩んだだろうと思います。
僕は2つの役割をその子に押し付けてしまいました。

部長というのは、そういう子が暴走しないようにして、レギュラーであるかどうか関係なく、チーム全体の士気を上げてまとめなければいけません。

「その役割に相応しいのは誰か?」という基準で選ばなければいけなかったのに、僕は雰囲気に流されていました。
部長有力候補だったバックスのもう1人の子は、僕が中学2年生の時に部活が嫌になって休んでいたときにメールをくれた子でした。
「明日はラグビーフェスやから軽い気持ちで部活来てみいひん?」
こんな内容のメールが送られてきました。

中学2年生の時に真面目に部活をするのが嫌になり、2週間ほど部活に行かなかった時期がありました。悪友と毎日ゲームセンターに行ったりマクドに行って遊んでいたものの、お金がないので大したことはできないし、毎日に張り合いがないので2週間もすれば飽きてきて、「やっぱりラグビーしている時の方がいいなあ。戻りたいなあ。」と考えていた時でした。

部活に行かなくなることは学校で部員と目を合わさなければいいだけですが、戻るのはかなり勇気がいります。
部長候補のもう1人はその勇気を手助けしてくれた子でした。

おそらく、「そろそろ誰か連絡した方がいいんちゃうか?」「お前しろよ。」「嫌や。お前がしろよ。」みたいなやり取りがあったと思います。
その中で、嫌な役を引き受けたその子こそ、僕は部長に選ぶべきでした。

今の社会の方法では、立候補者の中からしか選べません。
つまり投票する側から見ると「なりたい。」と思う人の中からしか選べません。
その「なりたい。」と思う人は、たいてい背後にサポートしている政党などがいて、当選してもその人の良し悪しよりもサポートしている人の影響が強く反映されてしまいます。

僕の中学校のラグビー部で行っていた部長副部長の選び方のように、立候補者という形がなければ、また違った人が選挙で選ばれそうなのですが、大人になると世間は広く、人数が多すぎて難しいので、立候補者から選択するしかないでしょう。

ですがもし、「周りから立候補しろと言われまして。」なんていう立候補者が出てきて、立候補者は全く喋らず、推薦している人がどこがいいと思って推薦したのかを演説している。
立候補者は、周りが決めた人。
その周りの同じ会社の社員や地域のおばあちゃんで、そういう人たちが演説をしている。
そんなことが起これば、選挙で選ばれる人は大きく変わるでしょう。
その時は、中学の時の失敗を活かしたいと思います。

化粧品研究者こまっきー

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