就活で自己PRというものを作らせるから、自分について考える時のベクトルが変な方向にいってしまうのです。
自己PRとは、就活の面接の時に、就活生が自分の長所や強みをいうコーナーです。
コーナーといったのは、自己PRは話の流れで面接官が感じるものではなく、面接官が「はい、誰々さん。自己PRをしてください。」と言って話してもらうので、面接中の自己PRコーナーです。
だいたい自己紹介をした後に、自己PRをします。
就活の面接の自己紹介で、大学名と氏名だけをいう人なんて珍しく、殆どの人は自己紹介の時からアピールをします。
そもそも、面接自体がアピールの場なのですから、自己PRのコーナーを設けなくても面接が始まって終わるまでの時間が自己PRなのです。
わざわざ自己紹介のようにコーナーを作る必要はないのですが、実際には自己紹介の後に自己PRがあって、その後に志望動機を聞かれます。
僕は就活の説明会から一次面接の面接官をやったことがあります。
自分が就活を経験してから3年しか経っていなかったので、就活の感覚を覚えていました。
自己PRなんて一定のテンプレートに、無理くり当てはめたものであることを覚えていましたので、僕が面接をしたときは、自己PRをあまり深堀りしませんでした。
とはいえ面接を始めて、自己紹介をして自己PRを聞かないと、就活生が不安がりますので、一応自己PRを聞いていました。
しかし自己PRに時間をさくのは非常に勿体無いです。
僕は面接のときには、わずかな時間で、できるだけその人の人となりがわかるような面接にしようと考えていました。会社に合う合わないは、人となりで判断しないといけないと思っていたからです。
自己PRのような作られた文章を話す就活生はまるでロボットのようで、人となりが全くわかりません。自己PRでよく使われるのはアルバイトの経験談が多いですが、自己PRになるくらい、アルバイトと真剣に向き合っている人なんていないだろうと思います。
僕が就活生の時もそうでした。
こういうときは、就活生の好きなことを聞いてみてはどうかと考えて、履歴書を見て趣味の欄に書いてあることを質問していました。
すると、自己PRの時とは違い、急に聞かれた話なので、戸惑いながらも流暢に話します。
「ああ、ほんとに好きなんやなあ。」とわかるくらい、自己PRが無理くり作ったとわかるくらいに流暢に話し出す人もいました。
何回も練習してきた自己PRとは違い、急に聞かれた話題だと、口調も普段に近くなります。
口調が普段に近づけば、それだけその人の人となりが、自己PRの時よりも分かるようになります。
僕が担当していた一次面接は、30分で5人の就活生と面接をするグループ面接でした。
30分で5人なので、だいたい1人6分です。
自己紹介で1分、自己PRで1分、志望動機で1分聞けば、残り3分です。
6分という限られた時間の中の1分は貴重です。
その貴重な時間を自己PRよりも、趣味など就活生が話し出してくれそうな話題にした方が、人となりがより分かるのになあと思いながら、就活生だったころと同じように、面接官になっても「自己PRは要らない。」と感じました。
就活で不要だと感じる自己PRですが、就活の時にあれだけ考えて、無理くり作って、何回も練習をした結果、何か自分について考えるときには自己PRを作成するときの思考になりがちです。
つまり、自分の強みとか長所を考えるということです。
仕事で失敗して落ち込んだ時、好きな人ができたけどうまく行かなかった時、または交際ができるようにアプローチする時に自分のことを考えたときなどに、自分の強みとか長所とかそういうことを考えてしまいます。
それっぽい本を読むと、恋愛のテクニックなんて書いてありますが、そういうテクニックはそういうテクニックをしてほしいと考える女性には有効ですが、気にしていない女性にはなんの効果もありません。
また、自分がそういうテクニックで交際に繋げたいのか、自分を知って好きになってほしいのかを考えて、選択するべきでしょう。
話が逸れましたが、自分の強みとか長所を考えるというのは、自分について考えていません。
自分と他人との比較をしているだけです。
自分が他人と違うところを探して、それを強みにしているだけです。
しかし、他人はいっぱいいます。
友達をひとり思い浮かべてください。
その子との共通点を挙げてみてください。
そしてまた違う友達を思い浮かべてみてください。仲のいい同僚でもいいです。
その子との共通点を挙げてみてください。
おそらく、一人目の共通点と二人目の共通点は違うはずです。
ということは誰と比べるかで共通点が違うので、誰と比べるかで自分が他人とは違うところ、つまり強みも変わってくるのです。
何人もの人と自分の違いを探していると、共通点ばかりで、自分の強みは無くなってしまいます。
そして「自分はなんの取り柄もない人。」と考えてしまいます。
という一連の流れを、就活の時に経験しているはずです。
就活で自己PRを作る時に、同じように考えて、同じように悩んで、無理くり自己PRを作ったはずです。
それなのに、世間で一般的に言われている自分についての考え方では、“自分にしかないもの”とか“個性”とか、そういう言葉ばかり使われているので、ついつい就活の自己PRと同じような発想で考えてしまいます。
“自分にしかないもの”を探しても、見つかりません。
誰かと共通点があるから仲良くなれるわけですので、“自分にしかないもの”というのは、誰にも理解されないことではないでしょうか。
それって強みなんでしょうか。
そうではなくて、“自分のしたいこと”を考えるべきだと思います。
今、自分がしたいこと。
休みの日に自分がしたいこと、自分が休みの日に食べたいもの、晩御飯に作りたいもの、自分が欲しいもの、自分が見たい映画や自分が行きたい場所を考えるべきです。
それは「なにもしたくない。家でゴロゴロしていたい。」も含まれます。
でもよくよく考えてみれば、家でゴロゴロしながら、何かしていると思います。
ということは、家でゴロゴロしながら何かしているのが、自分のしたいことなのではないでしょうか。
“自分のしたいこと”を考えることこそが、自分について考えるべきことです。
自分について考える時に、自己PRの強みや長所のように誰かとの違いを探していては、常に誰かを軸に自分を考えています。相手との違いから自分の長所を見つけようとするその思考は、自分について考えているつもりが、相手の軸に考えてしまっています。
軸が相手なので、相手が変われば自分の立ち位置も変わります。
母と比べれば自分は子供、友達と比べれば自分は友達、先輩と比べれば自分は後輩ですから、相手が変われば、関係性も変わります。
関係性が違えば、自分も変わります。
母と話す自分と、友達の話す自分と、先輩と話す自分は違いますから、他人を軸にして考えると、自分のことが分からなくなるのは当然です。
なので、そうではなくて“自分のしたいこと”です。
“自分のしたいこと”なら、軸は自分です。
たとえ彼氏とあそこに行きたいと考えても、それは自分が行きたい場所であって、自分が行く時は彼氏と行きたいと考えているので、軸は自分になります。
自己PRだけではなく、流行から、SNSで人気のものとか、考えてみれば社会には他人を軸にして考えることばかりです。
自分を軸にして考えることが少なく、それゆえに自分について考える時も、他人を軸に考えてしまうのでしょう。
しかし、自分のことを考える時は、自分を軸に考えないといけません。
そう言われると、どうしたらいいのか分からなくなると思いますので、まずは“自分のしたいこと”を考えてみてはいかがでしょうか。
考えて、したいことをしているうちに、「自分はこう言うのが好きなんだ。」「自分はこういうのが嫌いなんだ。」と勝手に自分のことがわかってくるようになります。
化粧品研究者こまっきー
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