日本はモノづくり大国なんて言われていますが、どちらかと言うと“間に入るのが好き大国”の印象があります。
大手が自社製品を自分の工場で作るのではなく、下請けに委託し、さらにその下請けが下請けに委託するのはよくある話です。
社内に経理課があるのに、インボイス制度が導入されたことにより、請求書の作り方が変われば、下請けに適格請求書の作成を委託したりします。
または商品を売るときに、そのショップとメーカーが直接交渉するのではなく、メーカーとショップとを繋ぎ合わせる会社が間に入ります。
これも何故か1社ではなく、2社くらい間に入る時があります。
ブローカーとか企画会社とか言われたりしています。
これが例えば化粧品では、韓国は違います。
韓国はこんなに間に何社も入りません。
自社ブランドを作りたいメーカーと、下請けの工場とのやりとりになります。
大手化粧品メーカーは自社工場で商品を作り、自社のショップで商品を売っています。
容器メーカーも、日本なら加工は下請けに依頼しますが、韓国は容器メーカーが一貫して生産します。
化粧品の作る過程でも売る過程でも間に入る会社が殆どいないので、あの価格であの可愛い見た目の商品が出来上がっています。
安く作りたいなら、このように自社で完結させた方が価格は抑えられるでしょう。
最近韓国でもバライティショップなるものが出来ていますし、Qoo10のようなECモールが人気ですので、状況が変わるかもしれないなと思っていますが、日本ほど間に何社も入らないでしょう。
間に何社も入るからか、日本製は日本で作られて日本で買っている僕たちでも高いと感じます。
中国製やベトナム製とは品質が明らかに違うと感じるならまだしも、違いが分からないのに日本製は値段が高いです。
何社も間に入るのは、戦後の復興の関係で必要だったのでしょうか。
今ではネットがあるので、目利き出来れば直接問い合わせることが出来ます。
「こういうの作れるとこ知らん?」とブローカーに聞くからコストが高くなります。
お米もスーパーではなんでもないお米が5kg3000円で売られていますが、農家が直接ネット販売しているサイトに行けば10kg3600円で売っています。
昨年と値段は変わっていません。
農家の場合は送料が発生することがありますが、それにしてもスーパーの値段にはなりません。
スーパーの値段と農家の値段の差が2倍近いのはビックリです。
これはどう考えても、「今なら5kg3000円でも皆買うやろ。」と値段をあげているとしか思えません。
これは値段を上げているのがスーパーなのか、スーパーに卸している会社なのか、農家から仕入れる会社なのか、全員なのかわかりませんが、これらはブローカーみたいなものですから、間に入る会社が増えれば増えるほど、値段は上がっていきます。
今回のお米はわかりやすく、“間に入るビジネス”の影響が出ているでしょう。
日本はモノづくり大国というよりも、運び屋大国です。
間に入る商売もある意味で運び屋です。
米を農家から仕入れて、スーパーの倉庫に納品する。
お客さんが作りたい商品のイメージを工場に届ける。
これは実際にモノではなく、運ぶのは言葉です。
本当にモノづくりをしている会社はどれくらいあるでしょう。
モノがなければ、運ぶものがありません。
数年前に「モノづくりはもうオワコン。」という言葉を耳にしたことがありますが、モノなしで運び屋大国ニッポンは成り立たないでしょう。
今は世界各地で争いが起こっていますが、そのとき、運び屋大国では何かあったときに弱すぎます。
武器云々の話よりも、「じゃあうちの国で作っていた製品、今日から輸出辞めるね。」と言われたら、困るものがどれくらいあるでしょう。
小麦や石油といった原材料だけではなく、服などの商品も含まれます。
服を作る生地も輸入ばかりでしょうし、半導体やネジなど部品も輸入でしょう。
パソコンなどの電子機器は「日本で組み立てているだけで日本製と書かれている。」と言われています。
化粧品も原材料は輸入ばかりです。
よく、日本のカロリーベースの食料自給率は低すぎる。という指摘がありますが、自給率の低さは食料だけではありません。
服も電子機器も、イチから日本で作れるものはどれほどあるでしょうか。
輸入に頼るしかない原材料は仕方がないにしても、部品から商品まで殆どが海外頼みです。
何かあると、1日3食の食事に困るだけでは済まず、季節の変化に合わせて着る服がお店で並ばなくなります。乾燥しているのでケアしたいと思っても、輸入されてこなければ化粧品を作ることもできません。
生活の中で、当たり前のように行なっていることが、ほぼ全て制限されるようになります。
外国と縁が切れたら生活がままならないのが今の日本の現状でしょう。
武器がどうだとかを考える前に、基本的な生活を日本国内だけで完結できるようにしなければいけないでしょう。
外国からみれば日本は攻め入る隙間ばかりです。
外国から見ればわざわざ戦争を起こさなくとも、輸出を止めるだけで十分日本にダメージを与えることが出来ます。
「辞めるわ。」に一言で済むのですから、こんなにコスパの良い攻め先はないでしょう。
間に入るビジネスは在庫を持たなくていいというメリットがあります。
運び屋もモノを作る費用も売るための費用も必要ありません。
そう考えるとモノづくりは、コストはかかるし、売れなかったら作って余った分はマイナスになります。作るために機械などを買って初期投資しても、売れなかったら大変です。
間に入るビジネスも運び屋もモノづくりのようなマイナスになる要素は少ないので人気なのでしょう。初期投資もモノづくりと比べて少ないと思います。
交渉する場合、弱みを握られていては、平等な立場での交渉ができません。
弱みを減らすためにも、やはりモノづくりへの取り組みは活性化しないといけないでしょう。
そして日本の場合は、いかに海外で作っているものを日本で同じくらいの値段で作れるようにするのかが必要になります。
人口は減っていきますから、それを見越したモノづくりが必要になってきます。
そのために必要なモノづくりが増えればいいなと、ここ数年でUberなど個人の運び屋が増えて、街で見かけるたびに「運び屋よりもモノづくり。」という言葉が浮かんできます。
化粧品研究者こまっきー
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