化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

情報過多で簡略化。

平成初期の音楽では情報が多くなった社会に関することが歌詞になっていることがありました。
今日のタイトルはMr.Childrenが1996年に出したシングル“マシンガンをぶっ放せ”のカップリング曲である“旅人”という曲にある歌詞です。
「情報過多で簡略化だぜ 文明の利器は〜」
という歌詞があります。

1996年というと、僕は4歳です。
ミスチルを知ったのは小学校5年生の頃ですので、おそらく中学生の頃にTSUTAYAで手当たり次第に借りたCDの中に“マシンガンをぶっ放せ”が入っていたのでしょう。
ツタヤでCDを借りる時は「新作ではないなら、アルバムを選ばないと損だ。」と思っていました。色々キャンペーンはありましたが、旧作CD10枚で1000円というキャンペーンがやっていて、旧作ならシングルでもアルバムでもいいというのですから、それならアルバムを選ばないと損です。
家に帰ってきて、間違ってシングルを借りてきたことに気づいた時は、ひどくがっかりしたでしょう。

確か、初めて買ったCDはミスチルの4次元というシングルのCDでしたが、そのCDを買った1ヶ月後くらいに4次元を含んだアルバムが発売されて、ショックだった記憶があります。
そのアルバムにはドラマ“オレンジデイズ”の主題歌だった“sign”という曲が含まれていました。当時この曲が大好きでしたが、シングルを借りた後にアルバムを借りることに抵抗があったので、アルバムが出るまで待っていました。
その我慢に耐えきれずに4次元というシングルのCDを買ってしまうという、違う目的で我慢を発散してしまったことと、その1ヶ月後に4次元の曲も“sign”も入ったアルバムが発売されたことのダブルショックで大人になるまでこのアルバムを手にすることはありませんでした。

話は“マシンガンをぶっ放せ”に戻ります。
シングルCDを借りてしまった後悔があったものの、このCDの中で気に入ったのは3曲目のカップリング曲である“旅人”でした。
当時は曲の雰囲気が好きだっただけなのですが、今聞くと「情報過多で簡略化だぜ 文明の利器は〜」という部分は令和のイマにぴったりな歌詞だと思います。

SNSで色んな人が投稿をしていて、スマホの画面を下から上にスワイプすればするほど、次々に情報が出てきます。
スワイプすればするほど出てきて、終わりがありません。
それくらい情報が沢山でてくるのに、情報の内容はほとんど同じです。

Instagramはおすすめ欄を最新順に表示しなくなったので、おすすめ欄はここ半年同じようなおすすめばかりです。同じようなというよりも、何回も目にしたことがあるような投稿や同じアカウントばかりがおすすめ欄に表示されています。
元々facebookのように友達の投稿を見るSNSだったのが、芸能人が参戦し、インスタグラマーのような人が増えて、案件を発信するサイトになっていきましたが、これでは発信してもおすすめ欄に表示されないでしょうから、発信する人は減っているのではないでしょうか。
Instagram内がビジネスの場になってから、徐々に投稿するのではなく情報を見るだけの人も増えていきましたが、おすすめ欄がこれだけ更新されないならフォローしたアカウント以上に新しいアカウントを知ることは難しくなりました。
Instagram内にある新しい情報は多いはずなのに、それが表示されにくく、同じ投稿ばかり目にする仕組みになっています。
これからInstagramはどうなるのかと思います。

Xではまだトレンドを大事にしていますが、そのトレンドの趣向はいつも同じです。
いつも政治関係の現状批判がメインです。
たまに何かの何周年で明るいトレンドが出ることはありますが、かなり稀です。
少し前までは、スポーツやエンタメのトレンドもあったのですが、今は“このページは“存在しません”になっています。
これはそれだけ、Xで何かを発信する人は政治関係の現状批判する人ばかりであるということでしょうか?
もしそうなら批判を客観的にみるという気持ちでXのトレンドを見ないと、自分もその批判に流されてしまいます。

YouTubeではテレビではできなくなったことが観れると称して、テレビでやっていたことのもっと簡略化された内容が観れるようになりました。僕はもともとテレビのバライティ番組が好きではないので、さらにダラダラしているYouTubeのバライティ系は見てられないです。
それでも興味本位にみてみたことがありますが、テレビと同じような内容の動画はテレビの番組とは違いました。展開の仕方やスピード感など、テレビの編集は上手だったなあと思います。YouTubeは煽りなどがメインなので、いつもちょっとヤラシイ感じがします。
テレビだと各テレビ局や番組ごとに色がありますが、YouTubeの場合は再生回数が伸びないと収入が増えないので、流行りのネタや配信の仕方をする習性があるので、どれも同じようにみえます。これはバライティ番組だけではなく、政治経済を話すアカウントも同じような傾向があります。
YouTubeでは色んな人が喋っているのですが、流行りのワードや内容を投稿して注目を浴びようと考えるからか、どこも同じで当たり障りない内容の動画が増えました。
今ではXとYouTubeが連動しているので、Xの状況も反映されています。

TikTokは、まさに情報過多の社会で簡略化されたらどうなるのかがわかるSNSです。
TikTokは他のSNSと違い、短い動画を見るSNSです。
YouTubeなどにもショート動画がありますが、あれはTikTokが流行ってからです。
ショート動画では短い時間で注目されるような工夫が必要です。切り抜き動画では一番炎上しやすい部分が切り取れられるので、間違った解釈が広まってしまいます。
TikTokを見ると、何事も簡単に理解するのは難しいことを思い知らされます。

せっかく簡単に手に入る情報が増えて、情報過多になったのですから、「あの人はこう考えている。」「あの人はまた違うことを考えている。」と色んな意見を知ることができるようになるはずなのに、簡略化して1つの考えに絞られてしまっています。
色んな意見を知って、自分はどう思うかを考えることができるのが、マスメディアとは違うSNSやインターネットの良さだったはずです。

色んな意見があるはずなのに、「大多数の人はこう考えています。」と人々の動向を1点に集中させようとするそれは、新聞やテレビなどのマスメディアと同じです。
マスメディアの方が、一般人と距離があったので、その分考える余裕はあったかもしれません。SNSは発信者との距離が物理的には遠いのですが、心理的に近いので、すぐワーっとなってしまう傾向があります。

Mr.Childrenの曲“旅人”にあるように、情報過多で簡略化することが本当に文明の利器なのでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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