化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

お米の価格は下がるのか。

昨日、備蓄米を放出することが決まりました。
このときに、価格のことではなく「流通に問題がある。」と言ったのは建前だと思います。
金利については日銀が決めることであり、政府が関与するべきではないのと同じように、お米の価格も政府が関与するわけにはいかないので、流通を問題にして備蓄米を放出し、結果的に値下げになったという流れにしたいのでしょう。

そもそもお米の価格上昇はお米不足ではありません。
2024年のお米の生産量は679万トンで、前年と同水準です。
ですので、昨年のお米不足も同じように考えられます。
現在の一人当たりのお米の消費量は年間で50.7kgです。
日本の総人口は約1.25億人ですので、50.7kg×1.25億人で633万7500トンです。
生産量は679万トンですので、消費量以上に収穫が出来ています。

また、SNSではアメリカにお米が余って安売りされているという発信がありますが、輸出量は3万7186トンです。
備蓄米は毎年20万トンを備蓄しているようなので、日本国内の消費量633万7500トンに、輸出量3万7186トン、備蓄米の20万トンを合計しても、657万4686トンなので、生産量679万トンから合計数量を引いても21.5万トン残ります。
つまり、アメリカへ輸出した分は価格上昇に関係ないと考えられます。

また国内消費量で調べると、2023年は年間約680万トンでした。先程の計算よりも多く、昨年から外国人観光客が多いことから、2024年はこれ以上ではないかと思います。
しかしいくら観光客が多いとはいえ、新米が出てくる時期ならまだしも、収穫してからまだ半年も経っていないこの時期にお米がないということは、収穫量から考えてもあり得ないです。
ということは、お米の収穫の問題ではないと考えられます。

ではなぜお米がこんなに値上がりしているのでしょうか。
僕は、農林中央金庫の赤字だと考えています。
農林中央金庫は各JAなどから預金を集め、投資をして資産を増やすということをやっています。
ところが昨年5月、農林中央金庫は投資の失敗で1.5兆円の赤字になる見通しであると発表がありました。その後、9月には赤字は8939億円といっていましたが、今年2月8日の発表では1.4兆円の赤字と増えていました。
この原因は外国債権を売却したことだそうです。
各JAなどは、農林中央金庫が投資をして資産を増やし、預金以上のお金が手元に戻ってくると思って預金をしています。
しかし赤字で各JAを支えることができないどころか、返済できないとなれば、地方のJAは潰れてしまうのではないかと懸念されていました。
なんとかして、赤字分を回収しないといけません。
そこで、お米です。

僕は家計簿をつけています。
2024年の1月から今年の1月のお米の値上げ幅は10kgで1750円でした。
一人当たりのお米の年間消費量は50.7kgですので、一人当たりの年間値上げ幅は1750円×5で8750円です。
8750円×1.25億人で、ざっと1兆円になります。
1.4兆円にはまだ少し足りませんが、今年に入ってある程度赤字帳消しの見通しがたったのではないかと思います。

先ほどの通り、9月には8939億円の赤字だったのが、今月の発表では1.4兆円に増えていることから、去年「新米が出れば価格は下がる。」と言われていたのに、価格が上がり続けたことからも、赤字が問題ではないかと思います。

値上げするときに“米不足”と言って値上げしたのですから、価格を下げるときも何かしら理由づけが必要です。
そこで、値下げになる発表といえば、ひとつは“備蓄米の放出”でしょう。
需要と供給の関係で、需要よりも供給のほうが多ければ、価格は下がり、需要のほうが多ければ価格が上がります。
別にお米が足りていないわけではないはずなのですが、備蓄米を放出することで、供給を増やしたことで価格が下がったことにしたいのでしょう。

“備蓄米の放出”でどれくらい値段が下がるかは分かりませんが、それ以外で考えると新米の時も値段を下げやすいです。
収穫量は変わらなくとも「今年は豊作」と発信すれば、価格が下がったことに国民は納得します。

他にも中国への輸出ができれば、価格は下がります。
この場合、需要が増えるので価格が上がるのではないかと思うかもしれませんが、お米は足りています。今の値上げを赤字分の回収だと考えると、中国へ輸出して、その分利益が増えれば、お米の価格は下がるのではないかと考えています。

また、石油の価格でもお米の値段は下がるでしょう。
昨今の物価上昇の背景には石油価格の上昇が原因だとされています。
石油はモノを作るときに使う資材や電気代にも、モノを運ぶ物流にも使われていますので、石油が上がると商品原価も運賃も上がって、物価が大きく上昇します。
ところがトランプ大統領はアメリカで石油を掘って掘って掘りまくると言っていますので、石油価格はこれから下がると考えられます。

また、トランプは大統領になる前から、「ドルは安いほうがいい。」と言っていましたので、円高ドル安になる可能性があります。石油価格低下に加えて、ドル安になればさらに石油価格は下がる可能性があります。
石油価格と為替については、直接的な影響もありますが、お米の値段を下げる口実にしやすいです。

それぞれがどのくらい下がるのか分かりませんが、“備蓄米放出”と言ったことから、赤字分の回収が出来たのではないかと思います。
そしてこういったことがニュースになるたびにお米の価格は下がるのではないかと考えています。

ちなみに、お米の値上げは去年に始まったことではありません。
僕は2022年6月から家計簿をつけていますが、2022年6月の家計簿をみると10kg価格は3560円でした。2023年年明けには4080円になり、新米のタイミングで4580円と、半年で10kgあたり500円ずつ増えていきました。
2024年は、半年くらいは4580円のままだったのですが、秋口の米騒動で5300円と一気に800円値上がりし、今年1月は6330円と更に1000円値上がりしました。
僕は4580円になった頃から、安くて美味しいお米を探すようになったのですが、2022年の6月に10kg3580円で買っていたお米の今の値段を見てみると、8780円でした。
この値上げ幅をみると、石油価格高騰とかそういうことが原因で値上げしていると考えるには値上がりしすぎです。
もしこの値上げが投資失敗の補填分であったなら、昨年の外国債権売却によって、今後は変わるかも?しれません。

「そんな組織は潰れてしまえ!」と思うかもしれませんが、もし潰れたら、食の供給トラブルが起こるでしょう。仲介役がいないのですから、農家はどうやって各スーパーに届ければいいのか、いくらで卸せば良いのか、農家とスーパー側で折り合いがつくまでかなりの時間がかかります。折り合いをつけるのに大手スーパーが先導すれば、買い叩かれる可能性もあります。
直接スーパーの経営をしていない人が仲介役になっているからこそ、価格が守られている部分はあると思います。

またJAは価格指定しているわけですから、混乱状態になると心なき人はJA以上に価格を釣り上げて、市場価格がめちゃくちゃになる可能性もあります。
SNSの誕生で、ファンを作ればモノが売れる流れが加速していますので、SNSで注目を浴びて付加価値をつけて高い値段で売ろうと考える農家も出てくるでしょう。
そういうことを考えると、仕組みは現状維持で、昨年の外国債権売却によって農林中央金庫の運営が変わってくれることを期待したいものです。

早ければ来週にはどれくらい価格が下がるのか発表があるそうです。
その発表と石油価格、ドル円の関係、中国への輸出などから、新米までの動きが読めるのではないかと考えています。

化粧品研究者こまっきー

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